
フェース軌道や向きを安定させるためのマル秘ドリル
ゴルフが大好きな皆さんなら、「もっとアプローチを安定させたい」と悩んだことがあるのではないでしょうか。
レベルアップしたい課題やテーマの優先順位はあっても、これもキリのない悩みかもしれません。
グリーン周りで
「ダフったぁ~~~!」
「あぁ、またトップしちゃった…」
と肩を落とす。
あの何とも言えないあの一瞬、、よくわかります。
今日はそんなショートアイアンの問題も解決できる、とっておきの練習法をご紹介します。
これは私が学生時代に体育の授業でゴルフを選択した際、ゲスト指導者として招かれた林由郎(はやし よしろう)プロから直接教えていただいたマル秘ドリルです。
伝説のプロゴルファー「林由郎」との出会い
今から思えば、それは奇跡のような1時間でした。
私は少しの経験がありましたが、ゴルフ初心者の学生たちを相手に、日本ゴルフ界の礎を築いた、あの林由郎プロが直接指導をするなんて。
林プロは青木功プロやジャンボ尾崎プロといった、日本を代表するレジェンドたちを育て上げた「我孫子一門」の師匠として知られる、90年代当時のゴルフ界ではすでに生きる伝説でした。
小柄ながらもこちらの背筋がピンと伸びる威厳のある立ち姿。
鋭い眼光の奥にはゴルフに対する計り知れない情熱が宿っているのが眼力から伝わってきました。
最新の理論を語るわけではなく、打ち方のお手本を示しながらシンプルながらもゴルフ体験だけでなく練習方法も教えてくださる授業で、今でも喋り口調や声のトーンを思い出します。
この「2球打ち練習法」はシンプルでも、林プロの哲学を体現するようなドリルでした。
林プロ直伝! 「2球打ち練習法」とは
この練習法は、特別な器具は一切必要ありません。必要なのは、ゴルフボールとクラブだけ。
やり方は非常にシンプルです。

2つのボールをターゲットに対して横にピッタリと並べて置き、それを同時に打つ。
たったこれだけです。
初めてこの練習法を教わった時、「え、2つも同時に打つなんて・・」と不安に思ったことを覚えています。
当然クラブや手首には大きな負担がかかりますから、最初はウェッジからから、長くても8番アイアンくらいのショートアイアンに留めておくのが賢明です。
でも、この「2球打ち練習法」には100ヤード以内が苦手なアマチュアゴルファーにとって計り知れないメリットがあるのです。
今回は特にアプローチの精度を上げることを目的として、その具体的な効果を掘り下げていきましょう。
練習のポイントと効果:なぜアプローチが安定するのか?
皆さん、アプローチがうまくいかない時って、どんな時でしょうか?
おそらく、ボールの手前を叩いてダフったり、逆にボールの頭を叩いてトップしたりする時ですよね。
これらは、インパクトの瞬間にクラブフェースが正しい位置に戻ってこないことが大きな原因です。
この「2球打ち練習法」はインパクト時のフェースの位置や向きとスイング軌道がどれだけ正確か、分かりやすく白黒つけてくれます。
2球を同時に打つと何が起きるか?
完璧なミート
もし2つのボールが、同じ方向・同じ高さ・同じスピードで、まるで双子のように並んで飛んでいったら、それはあなたのスイング軌道とフェースの向きが理想的だった証拠です。
クラブがボールを正確にとらえ、2つに均等な力が伝わった状態。
この感覚を身体が覚えることが、この練習の最大の目的です。
インサイド側の軌道
もしスイング軌道がインサイドに入りすぎたり、フェースが開いてインパクトすると、どうなるでしょうか。
クラブは手前側のボールは芯でとらえようとなりますが、奥側のボールはフェースの先端に当たってしまいます。

結果、奥側のボールだけが極端に右方向へ飛び出してしまい、とても2球一緒に飛んだとは言えない結果になります。
アウトサイド側の軌道
逆に、クラブがアウトサイドにズレると、手前側のボールをシャンクしたり、外側のボールが押し出されるような形になります。
特にクラブのネック部分でボールを打ってしまうシャンクは、この練習法ではっきりと現れます。
これもまた、スイング軌道が乱れている証拠です。
つまり、この練習法では正しいフェースの向きと軌道でインパクトしない限り、2球を同時に真っすぐ飛ばすことは絶対にできません。
このシンプルなドリルは、「なんとなく」で打つことを許してくれない、厳しくも親切な練習方法です。
この2球打ち練習で何回も打ち続けることは避けましょう。
手首など身体への負担は通常のショットよりも大きいです。
気が付いた時に確認する練習法として記憶に留めて頂けたら幸い。
※練習の際は必ず周囲の安全に十分配慮しましょう。思わぬ方向にボールが飛んでしまう可能性があります。
まとめ
この「2球打ち練習法」は現代の最新理論や高価な器具とは一線を画す、昔ながらのプロの知恵が詰まったドリルです。
もし打ち放題の練習場に行く機会があれば、ボール代を気にせず、たった数回でいいので試してみてください。
最初は戸惑うかもしれませんし、思うように打てないかもしれません。
でも、諦めずに繰り返しているうちに、必ず手応えを感じる瞬間が訪れるはずです。
「どうやったら2球が同じように飛ぶんだろう?」と頭で考えるだけではなく、何度も身体で試しているうちに、正しいフェースの向きとミートの感覚が養われていくでしょう。

この練習法を通して、皆さんのショートアイアンの精度が安定し、ゴルフがもっと楽しくなることを願っています。
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kyosuke
Swing&Savor54(スイセイ ごーよん)の編集人にして埼玉在住のアラフィフ サラリーマン。老後の「行くとこ・やること」を考えながら、初老のゴルフ体験を発信していきます
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寄せワンのウェッジ「トゥ側アプローチ」練習法とコースで使う実践テクニック
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