
シャフトこそ“振り心地の肝”
「クラブの要はヘッド」
―― 一利あるかもしれませんが、私はシャフトの方が大切と思います。
スイング中のシャフトの動きによって、インパクトのタイミングは変わり、ボールにコンタクトするフェースの向きもターゲットに向きませんから、ベストなヘッドが付いていても・・と思うわけです。
私のようなアベレージゴルファーにこそ、ヘッド以上にシャフトの性質(重さ・硬さ・しなり・調子)が飛びにも方向性にも打ち心地にも直結するのではないでしょうか。
スイングのリズムやクセに合わせてシャフトを合わせるのがベストです。
安定性や飛距離を稼ぐ道具の進化によって、より優しいクラブを求める流れから、軽量シャフトはプロの間でも浸透している様子が目立っています。
軽くて振りやすいだけでなく、ヘッドスピードアップやスイングのやさしさ向上に一役買ってくれる可能性があるからです。
この記事では、プロの実例を交えつつ、中年アベレージゴルファーに向けた「本当に役立つ軽量シャフトの考え方」をお届けします。
蝉川泰果プロの軽量シャフト採用
2025年9月4日からの国内男子ツアー(ロピアフジサンケイクラシック)では、蝉川泰果選手が驚きのパフォーマンスとニュースを届けてくれました。
アイアンの使用シャフトはプロトタイプから、市販の「N.S.PRO Modus3 TOUR 120」に変更。
シーズン中にもかかわらず、これによって5g程度軽くしていたそうです。
ドライバーのシャフトのフレックス(硬さ)もTXからXに落としているそう。
試合中にプレッシャーのかかる場面で、意図しない力みによって左へのミスを減らす意図があったそう。
結果、初日は65ストロークという好スコアにつながり、最終日も優勝争いをしながら最終的に2打差の単独3位で試合を終えました。
この例は、軽量化のメリットを”体感”できるのではないでしょうか。
アマチュアゴルファーがスコアアップを目指すなら、優しくラウンドした方がシンプルで効果的だと思います。
軽量シャフトがもたらすメリット:飛距離・疲労・リズム
ヘッドスピードのアップと飛距離の最大化
軽いシャフトはスイングの負担を減らし、より早く振り抜きやすくなります。
結果として、ボール初速が増し、飛距離アップにつながるケースが多いです。
疲労軽減でラウンド後半も安心
蝉川プロの例で、マイナス5gとはいえ振った時の印象は全く違います。
それは500mlと1Lのペットボトル飲料を持ったときくらい分かりやすいです。
スイングの際の握力や身体への負担が軽くなるので、練習で打ち続けるにも、ラウンド終盤の集中力やパフォーマンス維持にも効くことでしょう。
安定したテンポとリズムの形成
軽すぎてリズムが狂うケースもありますが、多くの場合「楽に振れる心地よさ」がスイングの力みを解放し、一貫して脱力したリズムにも寄与します。
ミスショットの減少にもつながるという印象も強いです。
軽量シャフト導入で気をつけるべき3つのポイント
シャフトの硬さ(フレックス)を適切に調整すること
軽量シャフトに替えると、しなりやタイミングが変わります。
1ランク硬めのフレックスにするなど、調整が必要です。
私は同じ銘柄のシャフトで、その時の調子や季節によって5Sと4Xを使い分けます。
クラブ全体のバランスをチェックする
アイアンとウッドで重量差が大きくなると、テンポが狂うことがあります。
安定した振りやすさに合わせて決める必要があります。
シャフトメーカー・USTマミヤでは、シャフトの振動数(1秒あたりの揺れの回数)を計測してクラブ間のバランスを取って、フルセットの流れを作ります。
「ユーティリティだけ当たらない」みたいなことも少なくなります。
軽すぎることでスイングのクセが出ないか確認
軽さの魅力の裏には「リズムのブレ」も潜んでいます。
軽すぎると、軽すぎる分だけ振りぬけやすいので、かえって変な癖が出る場合もあります。
大人用のバットと子供用のバットを振る違いのようなものです。
中級ゴルファーへのおすすめ(実体験アドバイス)
ドライバーのヘッドスピードが40~42m/sくらいのアベレージゴルファー(私)のドライバーを例に挙げると、メイン使用は5S(50g台・柔らかめ)、振れない冬場のラウンドは4X(40g台・硬め)を使います。
ドライバー:
一般的なシャフトは50~60g台、フレックスはSやXが多いです。
メーカーにもよりますが、私と同じように普段5Sを使う人は、40g台のXも”軽硬シャフト”として「試す価値あり」です。
アイアン:
スチールの90~110g台が主流と思いますが、スチールで100g以下の「軽量スチール」も注目されています。
私は最近、軽すぎず、安定感とのバランス重視で「N.S.PRO 950GH neo S」にしました。
素材別の特性:
- カーボン → 軽くて振りやすいが、動かしやすくクセも出やすい場合あり。
- スチール → 重さで安定感があり、ノーマル重量でもしっくりくる人には安心感あり。
私はもう少し年を取って振れなくなったら、アイアンのシャフトもスチールからカーボンにしたいと考えていますが、
自分の体力やプレースタイルに近い女子プロのクラブセッティングの話(例:蝉川選手のように、軽量化+フレックス調整したタイプ)や、練習場やフィッティング試打の感触を体験するのがオススメです。
軽量シャフトで快適ゴルフライフを
軽量シャフトは、「飛距離」「疲れにくさ」「安定したスイングテンポ」を同時に欲しがる私のような中級アベレージゴルファーにとって、まさに“味方”になりうる要素です。
私のベスト更新にも役立ちました。プロの成功例も背中を押してくれますが、一方で「硬さ調整」「バランス」「スイング」との相性や兼ね合いも欠かせません。
ただ、自分のスイングに合わせて正しく採用できれば、スコアだけでなくゴルフの楽しみ方自体が変わる可能性があります。
まずはフィッティングか試打から。
感じる違いを大事に、自分に合った軽量シャフトで“楽しく飛ばす”ゴルフの新境地を、ぜひ開いてください!


















